(26) 草刈り橋 針畑川

山でひと仕事終えた麦わら帽子のおじさんが川で長靴の泥を洗い、家路につこうとしています。

おじさんが渡っているのは、一見、丸木橋のような細い橋。しかし、歩く面は平らに削られ、片ほうの端にワイヤーロープが結びつけられているので、この橋は丸木橋ではなく、とてもシンプルな流れ橋です。

橋には、この地方で「アテ」と呼ばれるアスナロの木がつかわれています。日本特産種のこの木は、材に特殊な成分が含まれることから、ヒノキよりもさらに腐りにくく、雨や雪もよく耐えて丈夫で長持ちするそうです。

サビ丸太というか、表面がやや黒ずんだアテの表面には、滑ったりしないよう細かな溝が刻み込まれています。

この橋は、対岸にある山の手入れのために架けられたもので、名前はとくについてないけれど、強いていえば草刈り橋。林業と材木商を営むおじさんちの橋です。

架けられてからもう十数年になるそうですが、まだしばらくは現役で役目を果たしそうです。さらに今の橋が朽ち果てた時のために、山には次の橋の材料となるアスナロの木が育っているそうです。


Memo

・針畑川/滋賀県
・撮影:1999/05
・旧版公開:1999/09/09、改訂版公開:2017/05/11


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