(36) 榎川の水分神社 榎川

広島市の郊外、府中町を流れる榎川。流れを遡っていくと、里山の懐に少し入ったところに水分(みくまり)神社が鎮座しています。

この神社は、水の神を祀る神社のひとつで、水の分配を司る神が祀られています。古事記には、伊耶那岐命と伊耶那美命が神々を生んでいく過程で、天之水分神と国之水分神とが生まれたことが記されており、この榎川の水分神社は、安芸国水分天神の名残りと考えられています。
水の神を研究された高原三郎氏によれば、こうした水分の神々を祀る神社は、全国に620社余り分布しているとされています。なかでも降水量の少ない瀬戸内海沿岸地方に数多く見受けられるようです。

水分の神が祀られる場所は、里から少しだけ山に入った山辺の地が多く、山から流れてきた川が平地にでる境目あたりで、幾筋かに流れを分かつところ、いわば扇の要のような所が選ばれています。
水分には「水配り」の意味があり、一筋の流れを分流させる水の量を決めるのは、神のみが成せる技であると思われてきました。水の配分を神意に委ねることで、下流域で暮らす人々の水論を避け、和を保とうとしたものだと考えられています。


Memo

・榎川/広島県
・撮影:1997/08
・旧版公開:1999/11/23、改訂版公開:2017/09/19


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