(61) 多田院の流れ橋 猪名川

 北摂の里山の間を縫って大阪平野の北西部へと流れ下る猪名川。現在では、流域の住宅地化がすすみ、中~上流域の丘陵地にもニュータウンの家々が建ち並んでいます。
猪名川の中流に位置する多田院の集落は、ニュータウンに取り囲まれた古くからのムラ。すぐ近くには清和源氏にゆかりのある多田神社があります。

川の東岸をとおる旧街道に沿って家々が軒をつらねており、田んぼや畑は、川を隔てた対岸の河岸段丘にあります。
ちょっとした畑仕事も川を越えて行かねばならないことから、細長い集落を構成する上・中・下の三つの地区が、それぞれ自前の橋をもっていました。真ん中の橋は、いつぞやの洪水の時に橋脚まで流されてしまい、それっきりになってしまいましたが、上・下ふたつの流れ橋は、橋板や橋脚の修繕をかさねながら、いまでも健在です。

朝、橋を渡って田や畑に出かけ、農作業をして昼時になるとごはんを食べに家に戻る。晩ご飯のおかずにする野菜が必要な時は、夕方、川を渡ってちょいと畑まで。そんな感じでふたつの流れ橋は、いまでもよく利用されています。

多田院の家で飼われているワン公も、散歩は対岸にある畑のほうにでかけます。
「小さいときから渡っているから平気だよ」と話すおじさんを従えて、少し揺れる橋板をすたこらさっさっと柴犬が渡っていきました。


Memo
  • 兵庫県・猪名川
  • 撮影:2000/04
  • 旧版公開:2000/10/14、改訂版公開:2017/08/26
  • 多田院地区には流れ橋が2つ残っていましたが、何年か前に河川改修が行なわれ撤去されました。
  • 橋板を支えていたコンクリートの土台の残骸がいくつか残っていますが、橋があった当時ののどかな川の面影はもうありません。

【撮影:2017/03】

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