揖保川の流れ橋 揖保川(2)

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■ 流れ橋というのは

 食べものの話ですっかり前置きが長くなってしまった。流域の農作物や産業を育んだり、暮らしを立てていくうえで、川は欠かせない存在である。しかし、川が流れていることによって不便を強いられることもある。
その代表的なものは、流れによって両岸が分断され、自由に行き来できないことである。そこで、古い時代に「橋」というものが考案され、流れに浸かって徒渉をしなくても、両岸の間を行き来できるようになった。

橋の起源は、流れの中に頭をだした岩を利用して渡る飛び石や、倒木などの丸太を渡した丸木橋であるといわれている。ハイキングや山歩きに行った折、こうした橋のご先祖さまを見かけたりすることもある。ただし、このような橋は、簡単に架けることができる反面、ひとたび大雨が降って川が増水すると、使えなくなったり、流されて跡形もなく消え失せてしまうことも多い。

さて、「流れ橋」というものは、飛び石や丸木橋といった橋のご先祖さまに少し手を加えたもので、とてもシンプルな橋である。丸木橋との違いといえば、橋桁に細長い板が使われていること、そして、その板がロープなどで岸に結わえつけられていることである。地域によっては「板橋」と呼ばれることもある。

   大きな岩を橋脚替わりに橋板を架けた流れ橋
4枚の橋板はロープで岸に結ばれている

ちょっとした洪水のときは
低い位置に架けられた一部の橋板だけが流される

これぐらいの大水がでると橋板はすべて流される
ロープがついているので流失することはなく岸近くに浮かんでいる

水が引いてから橋板を元の位置にかける

■ すばやい復旧こそが流れ橋の真骨頂

 流れ橋のなかには、長さが100m以上もある “立派な長い橋” や、車でも渡れる幅の広い橋もある。けれどもほとんどの流れ橋は、人がひとり通れる程度の幅の板を何枚か連ねた小さな橋である。そもそも流れ橋というのは、川幅が数百メートルもある大きな川には適さない。その訳は、大水がでて流されたあと、復旧に手間や費用がかかりすぎるからである。
復旧費用が工面できなくて何ヶ月も流されたまま放置されているあの有名な流れ橋は、適材適所をわきまえずに架けられてしまった流れ橋の失敗作の好例といえよう。

流れ橋にはいくつかのタイプがある。最も簡素なものは、河原に転がっている大きな岩を利用しながら、数メートル離れた岩と岩の間に板を架け渡して、水面近くを歩いて渡れるようにしたものである。土台になる大きな岩がない場所では、近くから適当な岩を運んできたり、河原にある石を積みあげて、板を載せる土台がつくられる。また、場所によっては、岩のかわりに木製の橋脚が立てられることもある。

川が増水したとき、土台の大岩や橋脚は水中に没してしまうが、ロープで岸とつながれた橋板はプカプカと流れに浮かんでいる。2、3日して水が引いた後で元の状態に戻せるようになっている。

【次は】揖保川の流れ橋 揖保川(3)


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