鶴江の渡し 櫓継き式 松本川(2)

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■櫓漕ぎの木造舟

 渡し舟は、船大工の手になる長さ6メートルほどの木造の和船である。つくられてから20年近く経っており、痛んだところを修繕した跡もいくつか見受けられる。FRPなどでできた最近の船に較べて重量があるので船足は遅いものの、波や横風に煽られにくく安定感がある。「はやく対岸に渡りたい」というお客の要望があるからといって、舟を軽くして単に船足を速くすればいいというわけではない。
風や雨などさまざまな気象条件のもとで運航する渡し舟に求められるのは、「無事是名馬」であることなのである。

木造の和舟にエンジンはついていない

舟を操るのは年期の入った長い櫓である。船頭さんに櫓の長さを訊ねたら「つくったときは一丈一尺」という答えが返ってきた。江山さんは大正のお生まれである。今の単位に換算して3.3メートルほどになる。長い間使っているうちに先の方がちびってしまい、つくった時よりも少し短くなっているそうだ。

長年愛用してきた櫓を手に

体が楽な船外機や発動機船を使わない訳を訊ねてみた。
しょっちゅう客があるわけではないので、手漕ぎでも大丈夫とのこと。それと求めがあればすぐに舟をだすので、対岸までの距離が短いこの渡し場だと、エンジンの潤滑油がまわりきる前に対岸に着いてしまって機械によくないという。

木造の和船も手でこぐ櫓も、一見、時代遅れのようにも思われる。しかし、この渡し場でずっと使い続けられているのには、ちゃんとした理由があった。

【次は】鶴江の渡し 櫓継ぎ式 松本川(3)


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