TPP11と著作権法の改正

改正著作権法と保護期間の延長

昨日、2018(平成30)年12月30日からTPP11が発効しました。この条約発効に合わせて、改正著作権法が同日から施行されました。TPP11関連法は、モリ・カケのドサクサに紛れて国会で可決・成立した法ですが、法治国家ですから決まった以上は従わねばなりません。

「自分は関係ないよ」と思ってる方もいるかもしれませんが、ネットの普及とともに情報発信の機会も増えてきているので、無関心でいると痛い目にあうかもしれません。

今回の著作権法改正の大きな点は、著作権の保護期間が欧米並に20年延長され
70年になったことです。このほか、いわゆる海賊版を販売するといった要件を満たす一部の著作権侵害行為を親告罪から非親告罪に変更するなど、いくつかの改正点があります。ここでは、保護期間の延長についてのみふれます。
また、注意すべき点は、12月30日という年末ギリギリに施行されたことです。

なぜかマスコミは余り報道しませんが、保護期間の延長に伴う取扱いは、次のようになると考えています。

(1)12月30日時点で著作権が存続している著作物の場合
TPP関連法の効力が発効した時点で著作権が存続している作品等については、保護期間が20年延びて70年間になります。

(2)12月30日時点で著作権がすでに消滅していた著作物の場合
例えば、1967年12月末までに没した作者など、保護期間の50年が経過して著作権が消失していた作品があったとします。当該作品については、保護期間が70年に延長されたことで、一旦消失していた著作権が復活するのではなく、改正法の適用除外になるのではないかと考えられます。
この適用除外の点については、念のため、専門家の確認が必要です。

すでに50年から70年に延長された映画における、適用除外の判例へリンクを掲げておきます。
■判例(判決・決定文)
・東京地方裁判所決定平成18年(2006年)10月6日(シェーン事件第一審)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/621/033621_hanrei.pdf
・最高裁判所第三小法廷判決平成19年(2007年)12月18日(シェーン事件上告審・確定判決)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/509/035509_hanrei.pdf

著作権の保護期間の算定方法は、
没年の翌年の1月1日から起算して、70年目の12月31日までです。

著作権の侵害行為は軽くみられがちですが、刑事罰としては、次のように結構重いです。
・第一審は簡裁からではなく地裁から
・刑罰として個人の場合、10年以下の懲役刑、1,000万円以下の罰金刑で、懲役と罰金の両方を課すこともできます。

他人の著作物の海賊版を製造販売して小銭を稼ぐ行為はもちろんのこと、これくらいならコピペしてもたぶん大丈夫だろうと判断して、ウエブサイトやブログなどで著作権を侵害する不法行為をしないよう注意が必要です。
著作物を【引用】する時は、著作権法第32条、第48条の規定にしたがうこと。また、著作物を複製して【転載】する場合は、著作権者から転載についての許諾を得ておくことが重要です。

もちろん、この文章にも著作権があります(笑)


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