(5)中州の三人 鴨川

中州の三人といっても、夜の博多の中洲あたりを両手に花で千鳥足で歩いているおじさんではありませぬ。京都を流れる賀茂川で見かけた親子づれの三人。

頭に白いのが混じりかけたおじいさんは、右手に釣竿をもって流れのなかに立っています。中州の上には半ズボンをはいた父親と小学校にあがるくらいの子供。釣りの手ほどきを伝えているのでしょうか。が、黄色いシャツの子供は、あさっての方向を向いていますので、どうやら釣を楽しむのにも年功序列があるようです。

川は危ない、遊んではいけないというのではなく、また流行のナントカ教育のように、大勢の子供をわずか数人の大人で引率して川に入っているのでもありません。
川とのつきあいかたを伝授する基本はマンツーマン。しかも経験豊かな親が手本をみせながら、川遊びの作法や危険回避の方法を子に伝えていく。
まちの八百屋さんだって100年間、三代にわたって商いを続けてようやく一人前として扱われる古都ならではの光景です。

川でよく見かける光景
先生はプロですから指導に問題はないとして、
川の中で動き回る数十人の行動をお一人で把握できますか?
視野の外に何人の子どもがいますか?

なお「かもがわ」は、河川行政では鴨川の表記が使われていますが、下鴨神社の南側にある高野川との合流点から下流を鴨川、合流点から上流を賀茂川と書くのが京都での流儀です。


Memo

・賀茂川/京都市
・撮影:1996/09、2010/06
・旧版公開:1999/04/24、改訂版公開:2017/03/13


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