(13) 洪水の置きみやげ 吉野川

緑に覆われた四国山地を流れる吉野川の上流にある川のヘアピンカーブ。普段の吉野川は、ずっと下の谷底を流れており、水面までの高さは20メートルぐらいはありましょうか。

ところで、画面手前にあるガラクタは実はゴミの山なんですが、いったい誰の仕業なんでしょう?

答えは、吉野川がカーブの外側にある河岸段丘中腹の田んぼのなかに残していった流木や竹の置きみやげです。1年ほど前の大きな出水のときのことだそうです。流木の山も、ふた昔ぐらい前ならば、かまどや風呂の薪として重宝されたでしょうけれども、プロパンガスが普及した今となっては、誰も見向きもしません。道路からも少し下がった棚田なので、ブルドーザを使って取り除くこともできません。

盛大な焚き火をして灰にしてやれば、田んぼや畑の肥料にもなりましょうが、冬や春の山は乾燥していて山火事が心配です。

この地を訪れたとき、近くの田んぼには水がはられ、まもなく田植えの時期を迎えようとしていましたが、お土産でいっぱいのこの田んぼは、いったいどうなるのでしょうか。


Memo

・吉野川/高知県
・撮影:1999/05
・旧版公開:1999/05/18、改訂版公開:2017/04/19


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