(30) 瀬張り漁 九頭竜川

瀬張り漁は、秋を迎えた各地の川で見うけられる鮎漁のなかで、もっともオーソドックスな漁法のひとつです。水温の低下とともに、産卵のため下ってくる鮎の習性を利用した漁です。

川を横断するかたちで流れのなかに杭を一列に打ち、そこに網を張って川を下ってくる落ち鮎の行く手を阻みます。
漁師さんたちは数人でチームを組み、それぞれ投網を手にして流れのなかに入り、下流側から流れを見つめ魚影を追います。
網によって行く手を阻まれた鮎は、別の通り道を探すため群れになって横方向に移動しはじめます。その頃合いを見計らって、リーダーの合図で次々に投網を打ち込み、群れごと手中にしてしまうという漁法です。

実際には、逃げ足の速い鮎もいて、一網打尽というわけにはいかないようです。けれども、獲物で重くなった投網を手にして、岸辺に引きあげてくる漁師さんたちも満足げな表情をしています。

かかった鮎は岸辺の浅瀬で投網からはずして、大きな魚篭に移していきます。このとき、白っぽい茣蓙を川底に敷いているのは、獲物を痛めないことと、よく見えるようにして取りこぼしがないようにするためでしょうか。


Memo

・九頭竜川/福井県
・撮影:1991/10
・旧版公開:1999/10/01、改訂版公開:2017/09/18


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