流れのないサイドプール歩きばかりでは飽きてきます。なので適当に様子を見計らって、今度は流れのある細流に場所を変えて歩かせます。川底に足のつく水深の浅い区間を選んで、川の「流れ」というものを体得させるわけです。
この細流は、本当は多自然型川づくりでつくられた「ホタル水路」だそうです。この時期はホタルの孵化期・羽化期もおおむね終わっていますし、ワン公にはホタルやカワニナを食わないよう、よ~く言い聞かせてあります。虫愛づるエコロジストのみなさまがた、ご安心の程を。
足の着く場所での歩行訓練を済ませたら、次のステップに移ります。確保用のロープをつけて、足の着かない場所での泳ぎに入るわけです。ロープは、登山用のザイル(クライミング・ロープ)を使っています。本当は水に浮く専用のロープが良いのですが、あいにくまだ入手できていません。
繊維が水を吸いにくい「エバードライ」と呼ばれる防水タイプならばロープが水面に浮きやすくなりますので、足にからみつく危険を少し軽減できます。
第2ステップの場所は、緩やかな流れの細流とそれにつづくサイドプールを選びます。水深の深浅、流速の緩急がある場所です。
幸いにもラブラドールという犬種は、たとえ雑種であれ、回収能力の面で優れた天性を持っていますので、予め陸上で訓練しておけば棒きれやボールなどを投げて、行動範囲を制御することができます。今回は、河原に落ちていた棒きれにエサの臭いをつけて使用します。 岸に待機させ、細流の中央にある深みめがけて棒きれを投げ、水面に着水した段階でロープを緩めます。ワン公は、一目散に棒きれめざして泳いでいき、回収するや反転し岸をめざして帰ってきます。
うまく泳げるようになると、少々意地悪ですが、ヨシなど障害物のあるところを通らないと戻れないようなコースも加えます。世の中には、足を引っ張る葦などがあることを実際に体験させるわけです。
これがうまくできれば次のステップです。
Memo
・佐波川/山口県
・撮影:2001/07
・旧版公開:2001/07/09、改訂版公開:2017/10/25
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