楽しいひとときを過ごした後には、厳しい訓練が待っております。「苦あれば楽あり」、逆にいえば「苦なくして楽あらず」、コレは世の習い。熊次郎にも、荒波にもまれて世間の厳しさを少し理解して頂きましょう。
本日のひとつめの課題である急流への挑戦は、堰に設けられた魚道の流末部を利用して行います。
堰によって生じた2メートル前後の落差を流れ下った魚道の流れは、クランク状の流路によって少し勢いが弱くなりますが、それでも流速でいえば毎秒2~3メートルの速い流れとなっています。小さな渦が巻いていたり、さざ波なんかもたっています。カヌー愛好家のみなさんが瀬の難易度を表現するときのグレーディングを借りれば、さしずめ「1~2級の瀬」といったところでしょうか。
話が横にそれますが、カヌーの愛好者による瀬のグレーディングは、その筋の本によれば、通過の易しいものから1級・2級の順となっています。最上級の6級の瀬は「究極の困難と危険を伴い、冒険的な要素が大きな瀬」なのだそうです。
昔のロック・クライミングのルートグレーディングと似ています。熊次郎の教官は、カヌーはやったことがありませんが、岩登りや渓谷遡行は少々たしなんできましたので、難易度の程度は、なんとなくわかります。
訓練は、例によって河原に落ちていた棒きれを使います。急流の手前で待機させ、棒きれを最も流速の速い流芯部の少し向こうに投げ入れます。
「とって来い!」これを繰り返すこと約10回。
流速が速いので、棒きれが流れ下ってしまい、回収できないケースもありましたが、速い流れに臆せず立ち向かい、往復して還ってきましたので、本日のひとつめの階梯は、『とりあえず合格』ということにいたしましょう。
Memo
・佐波川/山口県
・撮影:2001/07
・旧版公開:2001/07/22、改訂版公開:2017/10/27
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