川辺の桜といえば、堤防や土手に沿ったソメイヨシノなどの桜並木のイメージが一般的ですが、今回はちょっと趣向をかえてみます。
山里を流れるこの川のずっと下流にある桜並木がすっかり新緑に包まれる頃、川辺にたった1本だけある桜が淡紅色の花を咲かせます。たぶん、里桜と総称される園芸種のひとつでしょう。
まちの桜のように集い来る人はいませんが、川の真ん中からみたその姿は、なかなか趣のあるものです。
この川をもう少しに遡ると、最奥の集落があります。農家が川に沿って点在しており、川のところどころには家と畑を往復するための小さな橋が架けられています。その多くは木でできた流れ橋です。
わが国の桜文化には千年あまりの歴史があるといわれています。山里を流れる川に架かる小さな名もなき橋も、おそらく千年あまりの歴史のなかで育まれてきた川の文化のひとつといってもよいでしょう。
Memo
・大堰川/京都府
・撮影:1999/05
・旧版公開:2002/04/28、改訂版公開:2017/09/02
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