日本海に面した城下まち萩を流れる松本川。2月も半ばを過ぎて川の水が温みだすと、春の訪れを告げるしろうおが産卵のために海から遡ってくる。
松本川や姥倉運河には、大きな四つ手網を張ったしろうお漁の小船が並び、旅館や料亭の前には、「しろうお料理」の文字が染められた幟が春風になびく。萩のしろうお漁は旧藩時代から続く早春の風物詩で、四つ手網をつけた船が川のあちこちに浮かぶ風景はこの川独特のものである。
しろうお漁は漁期が限られるうえ、近年は不漁の年が多いという。それでも漁師さんたちは、しろうおが群れをなして川に還ってくるのを待つ。潮の流れや群れの動きをうかがいながら、大きな網のあげおろしを何度も繰り返す。
【本文へ】しろうおが還る川 松本川(1)
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