■「お水神さま」の準備
現在30~40歳ぐらいの人が子どもだったころ、およそ25年ぐらい前までは、お水神さまの行事は、準備を含めて一切合切、子どもたちだけで執り行われていた。
しかし近年では、子どもだけでは開催できなくなってしまい、大人も手伝うようになった。今は、地区の家々のなかから持ち回りで世話人を選んで、子どもと大人が一緒になって準備している。その背景には、子どもたちが自由に使える時間が減ってしまったことや、生活様式の変化や少子化などの影響もあるのだろう。
開催日までに祠周辺の土手の夏草が刈られ、堤防下の平坦なところに土俵が設けられる。地区の見物人は、土俵横の土手に腰掛けて、子どもたちの相撲に声援をおくることになる。
道具を積んだ軽トラがやってきた
狛犬の脇に幟をたてる
夕方6時ごろ、水神祠の前に行事で使う道具を積んだ軽トラックがやってきた。「水天宮」と書かれた長方形の大きな提灯や、それを掲げるための柱や屋根などが降ろされ、大人と子どもが一緒になって飾りつけが始まった。
みんなで手分けして飾り付けがすすむ
大きな提灯もしつらえられた
祠の正面には、青色の幕が張られ、2基の狛犬の横には、「大将」をつとめる中学2年生の男児の名前が書かれた水神さまの幟が立てられる。
■「お水神さま」を支える大将
子ども相撲に正式に参加できるのは、小学2年生から中学2年生までの地区の男児である。ただし、中学2年生は「大将」といって、段取りや行司などの進行係をつとめることになっている。したがって実際に相撲をとるのは、中学1年生までの子どもたちである。
相撲に先立って、大将や世話人の大人が飾りつけの終わった水神さまに手を合わせる。同じころ、相撲に参加する子どもたちが、地区の家をまわって花束をもらい、手に手に花束を携えて水神祠のところに集まってくる。
大将が「まわし」を配る
お神酒をいだたく
参加者には大将から新しい「まわし」が配られ、お神酒が振る舞われる。そのあと子どもたちは、まわしを締めるために一旦、自分たちの家に戻っていった。
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