(37) 山田堰と水神社 筑後川

日田盆地を貫流した筑後川は、夜明の狭窄部を抜けたのち、ゆったりとした大河となって筑後平野の水田地帯を流れ下ります。

山田堰は、筑後川北岸の朝倉地方の水田を灌漑するために、寛文年間(1661~1673年)に設けられた堰です。筑後川の右岸に位置する高台による屈曲部を利用して堰と取水口がつくられ、三連水車で有名な堀川用水へと流れを導いています。築造後、幾度か改築や修築の手が加えられてきましたが、下流に向かって三角形状に大石を敷き詰めた堰と舟筏通しの水路は今でも健在です。

取水口がある高台には、水神社が建立されて、筑後川の流れと山田堰を見守ってきました。この水神社に祀られているのは、きちんと調べていないのでちょっとあやふやですが、たぶん罔象女【みずはのめ】という祭神だと思います。

八百万の神の国、日本には、水を司る神だけでも、貴船・罔象女・水分・祓戸系水神・久比奢母知・沫・頬・御井神・水天宮・八大龍王などなど、たくさんの系統神がいらしゃるようです。ところで、わが水商売にとって、いちばんご利益があるのは、なんという名の水の神様なんでしょうか?


Memo

・筑後川・福岡県
・撮影:1997/04
・旧版公開:1999/11/01、改訂版公開:2017/08/21


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